ググるな危険
4月23日、緑川〇木橋のシーバス

ツイッターか何かの検索キーワードだったかと思います。

例えば「蓮」と検索するときれいな花の画像が沢山見られますが、「蓮コラ」と入力すると、蓮の実を加工したグロ画像が大量にヒットしてかなりブルーな気分に陥ってしまう危険なキーワード。

釣り情報にもその類は多く、それはしばしば気分だけで済まないことも…多々あるようです。

(画像は直接話と関係ありません)

 

例えば「白川ウエーディング シーバス」

で検索すると、腰の辺りまで河に立ちこんだ釣り人がランカーシーバスを掲げ、にこやかに微笑む姿はいくらでもヒットしますが、その陰の部分、渡渉可能ラインを僅か2m間違えたが為に、泥から足が抜けなくなってしまい、首まで潮が満ちてきた頃にウェーダーを脱捨てて命からがら逃げ帰った人達の事は全くヒットしません。

。゚(゚´Д`゚)゚。「殺せーっ!!いっそ殺せーっ!」

泥に手をついた時に完全に泥が詰まってしまったリール(ハイエンドモデル)と、ローンがまだ二十五回ぐらい残ったオーダーメードのロッド(杖にしたときに折損)を投げ捨てながら、誰かが善意で呼んでくれたであろうレスキューヘリに吊り上げられた漢達の叫び声は、泥に沈んだまま黒歴史となって永遠に封印されてしまうので御座います。

( ´_ゝ`)「白川?ああ、潮引けば渡れるよ(笑)」

騙されてはいけません。そんな言葉を真に受ければ、貴方も泣き投げしながらヘリに釣られます(笑)。

4月23日はそんな白川の河口に行ってきた訳なんですが、魚の気配はあるものの、ルアーを一個ロストしたのみ。

潮が引いたら回収しようかと思ったけど、以前岸から僅か10mを行き来するのに30分以上掛かった事を思い出して緑川へ移動。

下げ止まり近くだから、国道下のポイントは潮時的に早すぎるし、ある程度潮位が低くても期待できる六間堰もまだまだ。

梅雨頃からシーバスは淡水域に居つくようになるんですが、まだシャローエリアは上げ潮が効いてないと厳しい。

「何処か、ある程度水深が有って引き潮でもシーバスが残る場所は無いかな…」

と、思いながら通り掛った○木橋。

ちょっと前までは「緑川でランカー狙うならここしかない」と言われ、二十四時間三百六十五日誰かが竿を振っていた有名ポイント。

駐車スペースがあまりに狭く、人払いの為に怪談や「ここで釣るとヤクザにボコられる」という都市伝説まで創られたほどの釣り場。

今はどうかというと、天草の松島あたりにその地位を譲ってしまったようで、閑古鳥が巣を作る有様。

見掛け上はとても釣りやすそうに見えます。

足場になりそうな干潟も多く、水深もあり、引きでも上げでも流れが効いています。

しかしですね、今回行ってみて分かったんですがココ、あの「ググるな危険」ポイントだったんです。

行ったことない人に向けて例えて言うならば、ロシアの泥炭沼から戦車引き上げる動画を有りますが、丁度あんな所です。

パッと見は楽々いけそうに見えて、その実、一部が絶望的底なし沼となっている危険地帯。潮が満ちるのも早く、まごまごしていると、ものの二時間で帰還不能になってしまいます。


で、そんなことなどつゆ知らずの午後二十一時。

六間堰に行く途中、件の○木橋に差し掛かり

















(;´Д`)あれ?そういや、ここ、一昨年ぐらいまで放置車両無かったかな?

 

良く考えてみると、通る度に違う放置車両が…

そこでここが有名ポイントだった事を思い出しました。

入れたためしが無かったので、通り掛っても脳が自動的にスルーするようになっていたんですが、この日はふと、ここに入ってみる気になりました。

 

その時脳裏によぎったのは、○木橋を背景にランカーシーバスを掲げ,にこやかに微笑む釣り人の画像。

いつ見たんでしたか?もう思い出せないほど昔の写真だったかと思います。

 

行ってみると岸辺の葦はまだ低く、楽々と歩けます。

 

本流まであともう少しというところで、葦の切れ間にできた細いチャネル。

 

しかも干上がっている。

 

まさか…その一歩が命取りになるなんて思いもしなかったんです。

 

(;´Д`)サアテ、これを渡っちまえば緑川本流に…

 


ズボッ!


 

はい!ハマりました!

 

【行けそう】 【にこやか】【ランカー】【熊本】

 

後世の釣り人が死なないように忠告します。イメージ画像の中にこの辺りの条件が揃うと死亡フラグです。

 

一歩に要する時間は約十秒、全力を出さねばこの速度に達することはなく、しかも、十秒以内に次の一歩を踏み出せなければ泥炭に沈んだT34中戦車と同じ運命を辿る事になります。

 

息は上がり、心臓の鼓動はレッドゾーンに。それはさながら泥炭の底なし沼に抗い断末魔を上げるディーゼルエンジンのよう。

 

薄れゆく意識の中、これまでの人生が走馬灯のようにフラッシュバックし、遂には前世の記憶が…

 

(BGM ロシア民謡カチューシャ)

 

(;´Д`)同志戦車長!
これ以上回転数を上げるとクラッチが燃えます!!

 

( ゚Д゚)上等じゃねえか!
前進か死か、革命に後退無し!!



 

( ゚Д゚)進め!!




 

(;´Д`)ウ…ウラーッ!!

 

すいません、以上、妄想でした。

 

ロシアには行った事無いし、戦車は74式をちょっと転がした事がある程度です。

 

で、この○木橋。ところどころに潜むそういった罠に嵌らなければ、足元はぬかるむけど、まあまあ釣りやすいポイントです。

 

その日は下げ止まりが21時丁度ぐらい。流れが微妙に早くなったり遅くなったりの脈動を始めたころで、シーバスがここに居さえすれば潮変わり時合のチャンスです。

 

ルアーは自作シンキングミノーのNJN90s。


















 

色々と最適化を目指すうちに、ダイワの旧シーバスハンターsに酷似してしまった微妙作。

 

私が初めてシーバスを釣ったシーバスハンターs、何で絶版になったんでしょうか?知る由もありませんが、取り敢えず、アレをデザインした人と同じ筋道を自分は辿る事ができた気がします。

 

実はこのNJN90s、泳ぎが弱いという理由で一回お蔵入りになりかけたんですが、フィールドテストを依頼した友人から釣果報告が入ったり、ダメ元で出した時にはポツポツ釣れたりと、意外にいけるっぽいので制作を継続したもの。

 

この日も、下流側に投げた時には明確なウォブリングが手元まで伝わってくるのですが、上流側に投げた時には微妙にしか伝わってきません。

 

個人的には、ルアーというものはブリブリ動かなきゃいけないものと思い込んでいるので、正直、あまり気に入ってはいないのですが、取り敢えず今シーズンだけでランカーを二本仕留めているのでこの程度の動きがいいのかもしれません。

 

一説によれば、ランカーはこのブリブリ振動をあまり好まないと聞きます。

 

そんな自作ミノーを投げ続けること20分、葦生い茂る泥干潟を上流へ移動しながら、空を映す鏡のような水面に僅かな流れの変化を求め、無心に竿を振る。

 

やがて川の流れが削り残した小さな岬と流れが作り出した泥のチャネル、そして鰻漁の為に積まれた石の塚が揃った絶妙の場所に辿り着く。

 

三つの障害物が作り出す流れの変化が重なるその場所は、意識して見ない限りわからないけど、確かに水面に僅かなさざ波が立っている。

 

居るならここだ

 

さざ波の上流に打ち込み、少し流してから巻き始める。

 

ルアーが流れの変化を捕らえると同時にロッドティップがルアーの発するウォブリングで震える。

 

ムグッ!

 

不意に鯉がスレ掛かりしたような感触が。しかし、今シーズンヒットした二本のランカーは、いずれもこんなアタリでヒットしている。

 

ロッドを立てると、深々と胴までしなり、ギギッ!とドラグが鳴る。

 

来た、しかも大きそうだ!

 

ドラグが止まったところでシーバスが水面を割る。

 

暗闇に半身乗り出した魚体はザブザブと大波を立ててから再び流れに沈む。

 

ラインはPE1号、リーダーはナイロン16ポンド。あまり無理もできないが、さりとてシーバスを走るがままに主導権を渡してしまうと、石積みの向こうに回られて万事休すとなる。

 

騙し騙し魚をこちらに向かせ、少しずつ距離を詰める。

 

よしよし、抵抗がやんだ。もしかしたら、ルアーを丸呑みのしてフックが鰓に掛かったのかもしれない。

 

慎重にネットに滑り込ませたシーバスは、惜しくも80cmには届かず、今年三本目のランカーとはいかなかったけど、79.5cm、4.6kgのきれいなシーバス。 



















 

釣り上げた時点でルアーは前後のフックが口の中に掛かり、口が開かない状態になっていた。

 

意外に短い時間で抵抗が止んだのはその為だろう。























      

さあて、これから時合に入るけど…

 

即行で家に帰り、祝盃。


















 

私の場合は一本釣れたら大体即終了。

 

中々釣果記録は伸びないんだけど、やっぱり、新鮮なうちに頂きたいですよね。

 

そんなわけで、この○木橋、あまりお勧めはできないんですが、いざとなったら、浜戸川合流点ぐらいまで泳げる覚悟がある人は、行ってみるのもいいかもしれません(笑)

 

泣き投げ吊り下げになるやも…しれないですが。

















今なら、白川緑川のテナガエビがお勧めです(笑)
ゴールデンウィーク前の試釣では、ボチボチ釣れました!

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平成30年3月20日 緑川のシーバス

放置期間中もヒソカニ続いていたルアー開発




「にいちゃん、ホムペなんで放置してしまうん?」















いやいや、気が付いたらもう一年近く放置していました。
いえね?やっぱり忙しい訳ですよ、新聞、雑誌のネタ集めに、新規ポイント開拓、その他…







水辺に常設されている美術品(投棄エロ本ともいう)
で芸術に触れ、心癒されたり…














新型ジグスプーンを試作したり…













川辺川でその新型ルアーのテストをして、山女魚を釣ったり…
(このネタは新聞と雑誌、webマガジンに使ってしまった)















近くの釣り場、白川で数回シーバス釣行でオデコ食らったりしてました。










(`・ω・´)つまりは、サボっていたのだよ!!


特に時間を食われたのがメタルルアーの試作。
あれ、作るのはすごく簡単そうに見えるけど、微調整の度に一々鋳型を作り直さなきゃいけないんで、かなり時間を食われます。
テキトーで良いんだったら瞬殺で完成するけど(極端な話、釘を平たく打ち延ばしたようなのでも釣れる事は釣れる)コレを使いたい!と強く思えるほどのものは中々できないのが現状。

取り敢えず、渓流用ジグスプーンの完成が見えてきたところで、近くの白川にシーバス狙いで行ってみるわけなのですが、行くたびにボウズ。真剣に釣れば一本ぐらい獲れるんじゃないかと思うけど、どうも、気配が薄いんですよね…

で、3月半ばに緑川方面へ。

例年、熊本界隈では球磨川が最も早くシーズン入りし、次いで緑川、白川と続くようです。

じゃ、白川よりも早い緑川。しかも、真冬でも時々釣果の聴かれる加勢川と緑川の合流点、六間堰に行ってみました。

ここは、江津湖からくる水の影響か周囲より微妙に水温が高く、それ故に寒い時期のテッパンポイントとされています。
まだ本格シーズンには早かったんですが、その夜は二人のアングラーが北岸側に入っていました。

いつも通り混雑は嫌なので、誰も居ない南岸へ。







結果は一発目からランカーシーバスがヒット。
このネタも釣り新聞に使ってしまったので詳細は省きます










で、3月20日。雨。

('A`) アメシネ…

と、普通は思うところです。しかし、変態釣り師にとって、雨こそまさに天の恵み。
この時期の雨は季節を前に進める雨なので、これはシーバス遡上の可能性、大と言えましょう。

今回入った場所は国道三号線の橋の下。この場所は、一級ポイントだからどうせ入れないだろうと思っていましたが、誰も居ませんでした。






すぐ釣っても良かったんだけど、ここは上げ潮に乗ってくるシーバスを狙うような場所なので、引き続けている間はドンコ調査をして時間をつぶします。

結果はドンコは掛からずチチブのみ。

ドンコ釣りの聖地、大野川では、まあ、川ハゼ全部をひっくるめて「ドンコ」としていたから、いいっちゃーいいんですけどね。

しかし…


(#゚Д゚)シオ、いつまでサボってんだゴルア!

なんていうかですね、満ちてこないんですよ。っていうかですね、川も上の方になると、満ち潮がさしてくるまで潮汐表の時間より一時間も後だったりするんですよ。

午後18時過ぎ、冷たい雨でテンションもダダ下がり。いい加減帰りたくなってきたけど、念のため六間堰へ行ってみよう。その前に、車に戻りながら角度替えて投げてみよ
う。




使用ルアーはこれ、NJN90s。

シーバス専用に思い切って用途を絞ったファーストシンキングのミノー。
「泳ぎが弱いな」と思って長い事放置し、釣友にテストの為に渡したことも忘れていたんですが、チラホラと釣果報告が返ってくるので、半信半疑で再製作。

釣友曰く「これ動きが弱いとか言ったら、日本製のルアー大半が使えない」とのこと。意外にも、世間の基準からしたら、ウォブリングが強い部類だった模様。

思えばシーバスルアー、もう20年位買っていない。独自過ぎる進化を辿った末に完成しているので、私のルアーはガラケーならぬガラルアーと化しているようです。

まあ、釣れりゃ―いいんですよ、釣れりゃ―。

角度を変えたのが良かったのかもしれません。

偶然、その時に満ち潮がさし始めたのかもしれません。

緩い反転流の中からルアーが出ようとしたあたりで水中に巨大な魚影がギラリ!


       キタ━(゚∀゚)━!!

距離が近かったのでそのまま一気にエラ洗い!そこに突っ込もうとする魚を何とか引き留め、こっちに向かせます。

ぱっと見70cmぐらい?しかし、引きが妙に強い。そのサイズでも流心に入って下り方向に走られたら切られる恐れが有ったので、強めのドラグ調整のまま強引に引き戻す。

しかし、網に入れようと近くまで引っ張ってきたら…


(゚Д゚;)
でけえ!80upは確実だぞ!

ドラグを緩めようとしたら、今度はテトラの方へ走っていこうとする!
いやいやいやいや!まてまてまてまて!
リアクション芸人のように慌てふためいて川岸を右往左往し、何とか走らせずにタモ入れ出来ました。





それがこの魚。

ポイント流通団地店で測ってもらったら、87cm、5kgもありました。

いやあ、立て続けにランカーが来るっていうのもなんか、ツイていますねー。去年は、数は出たんですが、大物には切られ続きでランカーが上がらなかったんですよ。

まさに勝負は時の運。

このギャンブル性もシーバスの魅力の一つですねー。











ヒットしたのはNJN90s レッドヘッド色。

このルアーは少しでも重量を真ん中付近に集めるため、アルミ箔は貼っていません。代わりにパールを大量に吹き付けています。

疑心暗鬼で進めた試作だけど、これもほぼ完成が見えました。

「動きはこれでいい」とのアドバイスをもらわなかったら、これも忘れられたルアーになる所でした。

以前聞いた ランカーは強い動きをあまり好まない説 も、なんだかこれで実証された感が。

いやあ、やっぱり人の意見は参考になります。











この魚のエラブタは、独特の形をしていました。

棘の部分が太く、なんか鋸状に。

片方だけなら擦り減ったと解釈できるんですが、両側とも同じでした。

単なる個体差か?やはり亜種化の途上にあるのか?

有明海周辺のシーバスは個性的な奴が結構います。





魚が獲れたらスーパー肴タイム。

魚を切り身にして、いつもの店に電話を入れよう。






我らニンジャヘッズの溜まり場的アジト。

ネオクマモトシティ中心部、シモドリ、ダウンタウンストリートに在る食処花樹に向かいます。














スズキの揚げ物クリームソース和え











イグサ麺のうどんと、天ぷら、そしてうまい酒。

まさに至福のひと時。



食処花樹
https://www.hotpepper.jp/strJ001053849/appearance/
釣れた魚の持ち込みもご相談受けますとのこと。
 
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平成29年6月 白川のシーバス
連続バラシに泣く初夏、新型ルアー開発

シーバス、5月頭ごろまでは順調に釣れていました。
しかし、ちょっと目を離している隙に状況が一変し、今までの釣り方が通用しない事態に。

どういう事かっていうと、魚の着き場が変わり、ベイトの種類が変わり、ヒットしてくるタイミングと合わせのタイミングが変わり…

つまり、全てが変わって、オデコ続きでした











丁度このテナガエビが釣れる頃からでしょうか?加勢川六間堰や白川井樋山堰でもシーバスのハイシーズンを迎えます。

釣れて当然とも思える雨後、暖かい風、大潮の満ち、といった条件で、当然のようにアタリは多かったんですが、どうしたことか、シーバスのバラシに泣き続けました。

どうも、流れ的によくありません。あ、河のじゃなくて、釣りの展開的にです。
バラシが有る度に、攻め方は障害物を無駄にタイトに、無駄に雑に攻める事になり、アタリは却って少なくなり、それに比例してルアーロストが頻繁に。









アタリが多いのは、膝丈ぐらいの浅場を縁取る駆け上がり。
そこに流れがかぶさってれば、高確率でシーバスは潜んでいました。

しかしですね、この時期、放棄されたカニ漁の籠や廃棄農業資材が最も多く、画像の高浮力フローティングミノーFTM90fでも根掛かりが頻発。

流れに乗せてドリフト気味に探ると、ルアーは思いのほか深く入ってしまっているようで、普通、止水では膝丈程度にしか潜らないこのミノーも、腰の深さにまで入ってしまいます。

これじゃ、根掛かりは避けられませんよね…







今日も白川井樋山堰に日は沈む。
まあ、アタリは有るんですが…バラシと根掛かりに終わりましたw

しかし、ここでは重要な手掛かりが得られました。引き潮の時にルアーを回収に行ってみると、多くのルアーが放棄漁具に引っかかっており、皆同じようなポイントを狙っていることが窺えます。

この事から、魚は数が多いながらも、かなりスレていると考えられます。そして、引っかかっていたルアーの種類。ここに大きなヒントがありました。










(画像は回収に成功した自作ルアー)
引っ掛かっていたルアーの8割がたは、メタルバイブレーションでした。例えば、六間堰の捨て網には10個以上のルアーが掛かっていましたが、プラグは二つあっただけでした。

つまり、競争率の高いスレたポイントでも、人と違った攻め方で、シーバスの泳層をダイレクトに攻めることが出来れば、比較的イージーにヒットが得られる可能性が有るという事です。

そして、シーバスの食いが浅く、バラシが多いという事は、ルアーの硬い動きにシーバスが不信感を抱いていると想像され、それを緩和するルアーを作ることが出来れば、これまでよりキャッチ率も上げることが出来そうです。









と、いう事で、早速ルアーを製作。ベースモデルは従来型のFTM90f。これの潜行深度を浅くしたフルモデルチェンジ版です。

浮力は前作より抑え、よりシーバスが吸い込みやすいように。そして、リップの角度見直しにより、泳層も膝丈ぐらいに抑える事に成功。

まあ…大げさなことを書きましたが、シーバス用としては標準的なフローティングミノーです。

まあ、そもそも「FTM」のネーミング自体が 普通のミノープラグ という意味なので、これでいいでしょうw









この変更は当たり、再びシーバスを釣り上げることが出来るようになりました。

ルアーのキャラ的にはNJN90sfとかぶって来たんですが、それでも、ちょっとした泳層の違いやウォブリングの強さの違いで食ってくるかスルーされるか、スレたポイントではかなりの差となって表れる事があります。

大体においてこの井樋山堰、誰が見ても好ポイントと分かるようなところだから、今のようなハイシーズンには、24時間誰かが竿を振っており、新たにシーバスフィッシングを始める人が最初に立ち寄るようなそんな場所です。

こういう場所でもアタリがもらえるようなルアーを何種類か持っていれば、いろいろと安心ですよね。








気をよくして、もう一個の有名すぎるポイント、加勢川六間堰に挑戦。

ボラと乗っ込み鮒が堰付近に密集し、頻繁に糸スレして「ビクッ!」と無駄合わせしそうになります。

雰囲気は抜群…

来るぞ…今日こそランカーが…










しかし…ここでUMAが出現。

水面下に揺れる影は、メーターオーバーか?

おそらく…この画像からは断言できませんが、防火用水にアオコ軽減用として投入されていたレンギョのアルビノの個体でしょう。ちょっと前まで熱帯魚屋とかで売っていたようです。

怪奇白いレンギョの呪いか、その日は新型ルアーを二つもラインブレイクロスト。

恐るべし…






仕方がないので、水深のあるポイントに移動。もうすっかり明るくなっています。

ここは、激スレ中の激スレポイント。魚が居るのは誰の目から見ても明らかなので、5月中は尿にも行けないほどの人気ポイントでした。

六月に入ってからややマシになったとはいえ、それでも、白川で最もスレているポイントと言えましょう。今度は、ここで挑戦。

吸い込みやすさと、流れに同調させるドリフトが決め手になるかどうか、従来型の自作スローフローティングミノー
NJN90sfで挑戦です。白泡の中に投げ込み、流れと全く同じスピードで巻いてくるルアーを竿先でヒラ打たせていると…








キタアアアア!

危うい掛かり方でしたが、なんとか取り込めました。最初に掛かった腹のフックは格闘中に外れ、尻尾のフックだけでかろうじて獲れました。いやーアブナイアブナイ。

たかが50cmクラスなんですが引きも異様に強く、魚のコンディション自体は良いようです。メインベイトは、稚アユと思われるのですが、胃の中からそれは出てきませんでした。

しかし、細長い小魚の群れが頻繁に水面に波紋を広げていたので、稚鮎遡上は続いているようです。

一本釣れたので、この日はもう帰ります。










して、数日後。

同じパターンが通用するのか再検証。

ルアーは同じくNJN90sf。

ポイントが十分深くなる満ち潮時を狙って同じ場所に入ります。
前回は、上げ潮の途中だったのですが、今回は下げに入って1時間ぐらいしたところ。

ここでもヒットが得られれば、漂わせて食わせる釣り方は、再現性のある立派なパターンであると言えましょう。






したら!
またキタアアア!

白泡の中に発生する複雑な反転流の中で、こいつはルアーをごく軽く咥えてヒットしました。

竿先が微妙に重くなったので巻くのを止めて待っていると、モゴモゴした感触から鯉スレのような重い動きに代わり、竿を立てると一気に流心に走りました。

いやー!アブナイアブナイ、口の外側に掛かっていたので、今回も危ない勝負でした。ドラグを緩めたり締めたりのかなりスリリングな勝負でした。








さああ!

シーバスが捕獲できたらいつものアレ!

\(^o^)/宴が始まるよー!














シーバスのスシとテナガエビのテンプラで一杯!





モッチャム!うまい!
 
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平成29年4月 白川のシーバス
鮎遡上に伴い、シーバス本格シーズン入り!

暫く鳴かず飛ばずが続いていましたが、ポツポツとは釣れていました。
でも、写真は新聞ネタ等に使ってしまったんで、ここには上げずじまいでした。

気候もようやく上昇基調で安定してきた四月半ば、この魚は腹の中に何匹かの稚鮎が入った状態で釣れました。もう、ウナギ稚魚掬い漁もシーズンオフになったので、ナイターでも十分獲れると思います。

でもね…シーズン本格化に伴い、ちょっとまた私の苦手な状況が戻ってきちゃうんですよね。
 
 
ご存知、シーバスって奴は、夜釣りの方がよく釣れます。
だから、私も東京湾でやっていた頃から、夜釣りメインっていうか、明るい時間になったらシーバスは釣れなくなると思ってデイゲームはほとんど手を付けてなかったんです。

しかしですよ、最近…道具に新たな進歩があって、釣り方と釣り人の習慣が変わってしまったんですよ。

まず、1号程度のPEラインを使った細仕掛けの釣りが一般化。
プラグルアーに重心移動が標準装備されるようになり、PEラインの効果と相まって飛距離が倍増

そして、いま、最も私の釣りを変えつつあるのが…





(´・ω・`) 巨神兵の出現です。


どういう事かというとですね、最近、ヘッドランプが電球からLEDに変わったじゃないですか。
あれ、ものすごく明るいんですよ。昔の釣り人は、夜釣りでチヌやスズキを狙う時に、明かりを水面に落とさないよう細心の注意を払っていました。

しかし、それも昔の話。70m投げられて、しかも、着水からの数mが勝負なら、足元ぐらい照らそうが関係ないみたいなんです。
だから、最近はライト点けっぱなしで釣る人が多いんですが、昔のライトだったらいいんですよ。近くに寄らなきゃいいんですから。

でも、LEDの、単三電池が三本も入る奴なら、どうかしたら、対岸にいる人を探せるほどの強い明りが出るんです。
もう、巨神兵が光の矢で地上を焼きまくるかの如く、釣り人が首を動かす度に圧光が水面を薙ぎまくるんで、半径30m位の魚はみんな沖に逃げてしまいます。

私もね…70m投げりゃいい話なんですけどね…バルサ製の自作ルアーじゃそこまでは無理ですね…

でも、折角ルアー作ってるんだから、自作ルアーで釣りたいじゃないですか。

自作ルアーの釣りで最近見えてきたことは、シーバスは思いのほか岸近くにも居るという事と、魚が餌食うタイミングでルアーを放ってやれば、意外と昼間でも釣れるという事。

そこで、これからは、もっとデイゲームも開拓して行こうと思いまして。例えば、上の画像のシーバス、胃の中には10cm位の稚アユが入っていたわけだから、それに近いサイズのルアー…あ、サイズっていうのは、なんていうか、嵩というか、質量的な意味でのサイズ。10cmの鮎に近い質量のルアーだったら、大体7cm位のミノーに換算されるでしょうか?

そんなルアーでの釣りが出来れば、マッチ・ザ・ベイト的に優位に立てるから、気難しい昼間のシーバスも釣りやすくなると思ったんですよ。

で、作ってみたのがこれ。



NJN70s ヤマメカラー…

あ、ヤマメは、山女魚じゃなくって、ヤマメの方ですw

釣り情報を得ようと思って「ヤマメ」と検索掛けた時に、やたら引っ掛かってきてウザイ思いをした事もあるかと思いますが、あのヤマメの事ですw







その小さなルアーをメバル用の細い竿で釣ってみます。
ラインはPE0.6号。リーダーはフロロ8ポンド。

まあ、ドラグ機能もあるし、餌釣で二号(相当)のハリスって、思いっきり太仕掛けじゃないですか?
「獲れるべ?80up?程度なら?」

その程度の認識で釣り開始。
しかし、この時、シーバスが回っていなかったのか?20分ほど画像のポイントでやってアタリ無し

。まあ、いつものタックルに換えて、遠投しながら潮時を待つか…





対岸にはベテランらしき釣り人がシーバス狙いでルアーを投げています。
あそこは、一番いい場所だから、これから潮が満ちてくるにつれ、チャンスは多くあるかと思います。

さて、こっちはなー。釣れる潮位になるまで多分、あと二時間ぐらいかなー

この時点で午前七時。

下げ止まりから、上げへと移り変わる頃でした。







画像中央の幾筋かの流れが集まる場所が本命ポイントです。
そこは、試作NJN70sを何度も通した後なので、居る気がしませんが…

( ^ω^)どうせまだシーバス回って来てないんなら、キャスト練習でもスッペ。
居ないんなら、スレる心配もないし♪

と、気軽に従来型シーバスルアーNJN90sfを投げること数投…





いきなり、「コッ!」という弾くようなアタリの後、ルアーが止められ、ラインは糸鳴りを引きずりながらグイグイと上流へ走り出すじゃないですか!

( ゜д ゜)はうっ!居やがったぞ!

正直、小さなルアーで食って来なきゃ、大きなルアーなんて、投げるだけ無駄だと思っていたんですよ。しかし、この魚は、嵩の小さなルアーをスルーし、敢えて大きなルアーの方を選んできました。

「ヤバイヤバイヤバイ!」リアクション芸人のように「ヤバイ」を連発しながらテトラ上を移動し、取り込みやすい位置に立ち直しますが、それでも、ラインは度々錯雑するテトラジャングルの方へ向かって突っ走り、その度に中腰になって耐えてポンピングで寄せ。

(;´Д`)
うわあああ!ごめんなさい!メバルタックルで獲れるとか言ってごめんなさい!
ってか、この仕掛け、PE1号、リーダー12ポンドだけど、十分ギリギリな感じじゃねーか!

数度のダッシュを何とかシーバスロッドのバットパワーで引き留め、かなり恐々網に滑り込ませたのがこれ。絶対80upだと思っていたんですが、測ってみたら79cmでした。




この魚は、流心のテトラ裏で流れてくる餌を待っていたようです。潮があんなに引いていたのに、まだこんなに大きい奴が隠れていたなんて、油断できませんねー。

やはり、釣れたのは、岸からわずか7~8m程度の場所。

遠距離投げる意識しか無かったら、一投もしないうちに踏み壊してしまうような至近距離にこいつは隠れていました。

夜間にヘッドランプに追われた魚が帰ってこられるのは、意外にも日が昇ってからなのかもしれません。

10年前なら、明るい時間、こんな浅瀬にこんなデカブツが居るなんてことは、今よりずっと稀な事でした。







NJN90sfサンドホワイティングカラーを咥えて上がってきたシーバス。

この大口なら、確かに、小さな魚じゃ満足しそうにないですね。

常食する餌も、きっとボラなどの割と大きなものなのかもしれませんね。










さあて、ハマダイコンの実でも取って帰るべ。

あれだけ有れば、しばらくは食えるから、一本釣れた時点で即帰ります。








岸辺のハマダイコンの花を愛でながら、余裕の帰宅。

橋の近くでもルアー投げてる人がいたから、他の人達も多分釣れているはず。





で、最初にシーバスの胃から出てきたのはこれ。
なんと、山太郎ガニ!(標準和名 モクズガニ)

ベイトフィッシュならぬ、ベイトクラブでした。

意外なもの食べてるんですねー。









そして、多分ボラと思える小魚。

生きてる時には15cmぐらいあったと推定されます。

もう、夏場に近い食生活をしているようです。










そして、なんと!ヤゴまで入っていました!

昆虫がシーバスの胃の内容物として確認できたことは収穫でした。

シーバスは思ったよりいろいろな物を食べていて、今までに無かったルアーの使い方で釣れる可能性も出てきました。もっとドリフト釣法を研究しなければいけませんねー。






真昼間からスズキの洗い、中落のナメロウ、兜焼きなどの豪華すぎるメニューで昼食。

今回は、また知られざるシーバスの習性を垣間見ることが出来て、大いに成果がありました。

夏場の流下昆虫や、梅雨時のドバミミズなど、今後、新たなパターンが開拓される可能性も出てきました。

そして、それら、泳ぐときの振動を発しない様なベイトを常食するシーバスを狙うなら、夜より、昼間の方が釣れるはず。この発見は、新たなデイゲームに発展するかもしれません。









父が釣ってきた鰻と、鱸の料理で今夜は乾杯!

白川の恵みを堪能しました!

これから、手長海老もシーズンインしますよー!

(そういや、手長海老パターンって有るのだろうか?)
 
   
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 平成29年2月5日白川のシーバス(デイゲーム)
夜やろうと思ったけど、ウナギ漁の影響で昼しか釣れない白川

前回の更新から、結構経ってしまいました。
やっぱり…というか、オデコ続きで、シーズンオフとされている1月にもちょくちょく河には行っていたんですが、ここに上げられるような成果が無かったんです。

で、三角から出る釣り船をチャーターして、三角から八代辺りを釣らせてもらいまして。結果、時間切れギリギリ前に一本、50クラスをキャッチできました。これは」釣り新聞に上がるので、ここには書きませんが、その時大きな手掛かりをもらいました。

時期的にそろそろアフタースポーンの痩せた個体は少なくなっていると思われるんですが、海で釣れた個体は、まさしく細身で回復中の魚でした。





と…いう事はですよ?
シーバスも全ての個体がほぼ同時期に産卵するのではなく、12月頭に産卵する奴もいれば、1月になってやっと産卵に入るようなやつも、実際は沢山居るのかもしれません。

と…なれば、そろそろ帰って来てる個体も居ておかしくないですよね?河に?

それを確かめに、しばしば白川の近くを夜通り掛かってみたんですが…
この時期、確か3月末までウナギの稚魚掬い漁で毎夜水面は巨大サーチライトが薙ぎまくっているので、正直、魚は警戒してルアーには食ってきません。

で、2月5日…仕方なく朝になってから来てみました。

この日は、前日夜から降り続いた暖かい雨は止み、いつもの服装では汗ばむほどに気温も上がりました。

春ならねー。釣れるんですけどねーどうですかねー。







狙ったのは、堰の下の小さな流れ込み。
まだ潮は1割程度しか満ちていないので、ここいらは完全に淡水になっていると思われます。

ハイシーズンならねー。こういうとこ、良いんだけどねー。

どうでしょうねー。

自作スローフローティングミノーNJN90sfで、テトラの間を探ってみます。







テトラの間に出来た流れに、ドリフト気味に乗せながらトゥイッチングで流すこと数投。

したら、突如ルアーが「ムグッ!」と止められました。

え?来たの?

半信半疑のまま竿を立ててみると、シーバス様がついているじゃないですか。

いやあ、正直、来るとしても、もっと潮が満ちてからだと思っていました。

この魚は、小さいから産卵には参加せず、ずっと川の近くをウロウロしていたのかもしれません。それが、時ならぬ暖かい雨に誘われて河を上って来たんでしょうか?

サイズこそ小さいけど、今年初の白川シーバス、釣れてよかった!

(血が見えるのは、既にこの場でシメているからです)
















同じ場所でもう一本。

これは、54cm有りました。

もう産卵には参加したと思われるんですが、早々と終えて帰ってきた個体と思われます。

胃の内容物は、何も無しで、何を主に食べているのかの手掛かりは得られませんでした。
年末に同じ場所で釣れたシーバスの胃には、1cm位のマメ蟹が入っていた事もあるので、
今度もその類かな?







自作ルアーNJN90sfは、シーバスルアーとして着実に完成度を高めてきました。
今回、テトラの間をトゥイッチングで流すという渓流じみた釣り方が大当たりし、バルサの木で作った手作りルアーにも、まだまだ活躍の余地が有る事が確認できて嬉しいです。

コンピューターで設計したハイテクルアーには絶対敵わない事も多々あるんですが、まだまだ頑張って改良を進めてみたいと思います。

まだ沢山釣れそうだったけど、食べるには十分なので、今日は昼前に早上がりします。








近くに生えてたハマダイコンもすかさずGET!














そして、東銀座通の花樹に行く。

早速料理してもらいましょう。


そうしましょう。














唐揚げ

アラの煮つけ

ハマダイコンと鱸の蕎麦



ま・さ・に・酒池肉林の宴でござあます!(笑)
 

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平成28年11月 白川のシーバス(デイゲーム) 
常に定石と常識を覆してくれる謎の魚シーバス、日中の方が釣れる条件も有る?

シーバス釣りには、ちょくちょく出かけていました。しかし、この夏は白川上流の山が土砂崩れを起こした状態のままで、長く泥濁りが続き、シーバスの釣果も聞かれませんでした。

当然、たまに出掛けてもあまり釣れず、オデコ続きだったので他の事して遊んでいました。

ルアーの売り込みをもっと真剣にやればよかったんでしょうが、世を忍ぶ仮の仕事の方が忙しく、なんか、めんどしいので放置しています。

だってねえ、粉骨砕身努力して売り込んでも、二次萌えキャラをあしらったイベント専用カラーの方がおよそ250倍も売れるんだから、そっち中心になりますよね、普通。













イメージ的にはこんな奴です。本体はガチで魚を釣るために作ったルアーですが、このラベルを添えなければ販売実績は永遠にゼロのまま。

ま、これを添えて売れるんだからまだ救いはありますね。ルアーっていうやつは不思議なもんで、それ自体は全く力を持っていないのに、使い手が信じて泳がせることにより、初めてその効果を発揮するもの。

まあ、言っちゃ悪いんですが、胡散臭いオカルト商品に片足突っ込んでいるようなもんなんです。
ベテランアングラーが罵倒して畏避する百均ルアーも、信じて使えば時に3万円のプレミア価格が着くレアルアーに実績で勝つこともあるんですよ。







で…そのルアーでの釣果がこちら。釣れた場所は、絶不調を極めていた白川。10月末頃の釣果です。もしかして?シーバス帰って来た?この魚は夜に釣れました。
見るからに背中が日焼けし、河に居付いた個体のようです。引きはそれほど強くなく、50弱と見積もって網を出さずに抜き上げようとして、手前でその長さに気付いて慌てて網を出しました。

本当に?シーバス?帰って来た?手掛かりを得る為に胃の内容物を見ましたが、カラでした。もう皆海に下ったと思ったんですけどね…残っている魚も居るんでしょうか?
シーバスって奴は、本当に分からないことが多いです。









その後は世を忍ぶ仮の仕事をしたり、猫の背中を撫でたり…









ニンジャの動画を作ったりして過ごしていました。
この辺りで季節は更に進み、11月に入ろうとしていました。






白川は完全にシーズンオフに入ったっぽいから、球磨川の橋脚にチャレンジ。
結果は、76cmの見事なシーバスがヒット。ヒットルアーは、やはり萌え系カラーのヴァンプレッドヘッドカラーで釣れました。考えようによっちゃ、誰も持っていないこの痛ルアー、魚が一回も見たことがないという理由で、ある程度のアドバンテージがあるように思えます。
ベースモデル本体は実績のある物、しかも、実績が有る赤金やレッドヘッドカラーにちょっと手を加えただけの物なんだから、実際釣れない筈はないんですよ。球磨川の釣況は、釣り新聞に上げたので詳しくは省きます。




で…白川。家が近いんで、ちょくちょく行くんですが、やはり、無為にオデコを重ねていました。
深夜の河に立ち、夜明けごろ帰る毎日。あまりの釣れなさにもうシーバスやめようかと思えるほど。

河の水は、雨が降ると思い出したように濁り、夜が明けてその白川っぷり(リアルな色合いの意味で)があらわになると、気力が萎え萎えになるほど激しい事もしばしばでした。

一晩中…真面目に鮎カラーをスローリトリーブしてたんですよ…

だって、この時期、落ち鮎じゃないですか、熱いパターンは。

でも…クソ濁りだったら、そもそも鮎の餌になる珪藻が育たないんですよ…

当然落ち鮎パターンもなし。

無為になった努力と無駄に浪費したロストルアーの恨みを晴らすため…俺はついに…
















(ヽ'ω`)グレる事にしたんじゃワレぇ…





もう、真面目とも基本ともオサラバ。

もう、流れの中を狂ったように痛ルアーをトゥイッチング。

普通に考えたら、一投目から早巻、かつ、リアクションバイト狙いなんて、正気の沙汰じゃありません。

渓流山女魚を狙うようなやり方で、流れを細かく探ってゆくと…?


あれ?もしかして?来ちゃったのこれ?

小さいながらもヒット。潮は完全に引いた状態。色からして、河に入って日が浅い個体と思われますが、完全に淡水と思える場所でヒットです。

と、すれば、こいつは昨夜から河に居たわけで、夜はルアーをガン無視していたことになります。もしかして?濁りが強いせいで夜の食事をあきらめていた?

この一本じゃあ、何とも言えませんが、もしかしたら、明るい時間になってからが時合になるパターンも有るのかもしれません。








そうしたら…ですね?
本当に濁りが強い日には、そんなパターンがある様なんです。
これが釣れたのも、朝の八時。強い濁りのある井樋山堰南岸でした。

この井樋山堰南岸、ハイシーズンには24時間誰かが竿を出しているほどの激スレポイント。当然メタル系の飛ぶルアーでしか釣れないとされていますが、木で出来た自作ルアーで釣れました。本当に、目の前で。

前夜から白川を上に行ったりしたに行ったりしていたのですが、夜は結局ノーバイト。でも、青空の下でこいつが釣れたんです。鮎カラーですが、トゥイッチングで。







ここまでくると、このパターンに再現性が有るのかどうか試したくなります。
濁り+流れ、そこへリアクションバイト狙いのパターン。


で、11月半ばにもう一回試したら、確かに同サイズがヒット。
これも他のネタに使ったので詳細は省きますが、ほぼ同じ条件でヒットしました。


11月21日、小潮の上げ一杯。また同じところに来てみました。
もう、ここは完全にシーズンオフだと思われているので、誰も居ません。

しかも、狙う場所は、この白泡の部分。イメージ的にはトラウトを本流筋で狙う感じでしょうか?
自作ルアーNJN90sf(ゆっくり浮くミノー)でUターン釣法を試みます。

白泡の向こうに投げて、ルアーを流し。テトラの辺りで巻き始める感じ。今回も一投目からリアクションバイト狙いのトゥイッチングで流す事3投…










やっぱり来ました!白泡の本流筋からルアーが出て、ルアーが反転流の中に入ったときにドン!と当たってきました!

カラーはブルーギルカラー。バス狙いでもないんだから、このカラーは、シーバスにとって確実に奇異なものであり、ほぼ、リアクションバイト狙いが通用したと言っていいと思います。

夜にこの釣り方をしようと思っても、そもそも無理なんですよ。

夜、シーバスが小魚を狩るような時は、あまり視界は利かないので、獲物の発する振動を側線で感知しての追跡。トゥイッチングなんかしたら、追いきれないと判断して食って来ないと思われます。

でも、昼間はどうやら視覚重視の狩りをするようですねぇ…

いやあ、やってみるもんですねえ。

この釣り方を知っているベテランなら、「今頃そんなこと知ったの?」と笑うところでしょうが、私には新鮮な発見でした。









今回は、新しい発見が有って有意義な釣行が出来ました。

まだまだブラックバス程解明されていないシーバスの生態。調べて行けば、今後様々なパターンが発見され、ゲーム性が高まってゆくかもしれません。

また何か新しい発見が有ったら、ここに報告します。

取り敢えず、ルアー販売はその後でもいいか…










それでは皆さん、

オタッシャデー!
 
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熊本地震と緑川のシーバス
地震で終わったと思った熊本、緑川のシーバス再開した模様です。


 「もういかないの?しーばす?」

ぁぁ…そうか、最近刺身も献上していないか。
1月からシーバスの釣果が聞かれ始めた緑川。今年は順調に釣れ続くと思いきや、度重なる寒波の来襲でシーバスは海に帰ってしまった模様。

緑川がダメでも白川、菊池川とあるのですが、あまりパッとした話は聞きません。

例えば、白川は例年この時期、ウナギの稚魚掬い漁で水面が照らされ、釣りにもならず。






白川小島の堰。釣れそうに見えるんですけどねー

でも、ここ、緑川より一カ月ほどシーズン入りが遅いんですよね例年。

鯰でも掛ってくれば足を運ぶ気になるんですが、それすらも無し。

なにかの?異変の前兆?

とは、微塵も思っていませんでした。この頃は。






シーバスタックルにルアーが結ばれる事も無く。

早くもシーズンインしている天草のシロギスチョイ投げをします。

いいですね、天草。

関東みたいに皆がシロギスを狙いまくって100m投げなきゃ勝負が始まらないような難しさも有りません。防波堤からなら20m飛べば釣りになります。







シロギス釣りと現地食いを堪能して帰り支度をしていると、遠くの岬から移動してくる明かり一つ。どうやらシーバス狙いで地磯に入った人の模様。

釣れました?と聞いたら、これを見せてくれました。

おおっ!!上手い人は既に釣っている!

入れ替わりでそこに行こうと思ったんですが、満ち潮でもう道が水没して行けないとのこと。

行ってみるかなー緑川。



時は4月12日。
満潮まであと少し。
緑川で釣ったら、思いがけず大きいのが釣れました。

詳しくは、釣り新聞に上げたので省きますが、もう緑川にもシーバスが回った模様。

緑川、はじまた!








と…思った矢先に熊本地震。震度7、6、5が何度も来る大騒ぎ。

どうも、シーバスや鰻等の遡上モンは、地殻変動の類が嫌いらしく、それ以来完全にアタリが飛びました。

阿蘇噴火の時も同じでした。

道もひどく、ジムニーでないと通過できない場所もちらほら。




緑川に今日も夕日は沈む。

何度釣りに行ってもどうせオデコなんですけどね。

3回連続オデコを食らった後の4月24日。

なんとなく、六間堰に来てみました。

対岸の未開拓ポイントを探検に行ってもよかったんですけどね。
面倒臭いですね。どうせ釣れないから。





六間堰の南岸には、先に人が入っていたので、国道橋下で投げ始めたんですが、反応なし。
時折ボラが水面にピチャンと跳ねるのだけが、まあ、前にオデコ食らった日よりはましでした。

その他、静かに釣っていたら、目の前に大きな鷺が舞い降りてきたのも良い要素ですね。

いつもの釣り場にベイトフィッシュが戻ってきていることを意味しています。

シーバスを釣ろうと思ったら、まずその餌になる生物を探すのが基本とされているので、これ大事です。不用意に水面を照らしてベイトフィッシュを散らしてしまうと、チャンスは半減します。






橋の下で釣れる気配が無かったので、再び六間堰へ移動。
北岸には既にヘッドランプが三つ揺れています…ってか、釣れてるのかな?向こう?
巨神兵のように水面を光の束が盛んに薙ぎまくっているんですが…時折エラ洗いの音がする事も有るから、釣れているようなんですが。70m飛べば?あれでも釣れるのかな?シンキングペンシルのデカイ奴ならあれでも釣りになるようです。
私の自作ミノーはバルサで出来ているので、30mぐらい?しか飛びません。だから、戦争中さながらの燈火管制は必須なんです。

いつもの、堰近くは無反応。
ライトの光が水面薙ぎまくった後なら当然魚は散っていると考えられます。

潮が引き始めて、南岸の護岸の歩ける場所が姿を見せた頃。北岸の明かりが一つ、また一つと帰ってゆきます。

南岸で一番有望な堰の直下が潰れたとしたら、そこの直近にある二番目のポイントに魚は集まると予想されます。

堰から下る事100m。そこには反転流の渦が左右に分かれる複雑な流れが。

その流れにルアーを乗せる事数投。

シーバスが待ち構えている流れの分かれ目に偶然入りこむ小魚を装い、自作ミノーNJN90sfをやや早巻きで引いてくると…


はい!北!ドーン!

80cmの元気なシーバスがヒット!

カラーはド派手のライムチャートリュース。

白濁りが入っているような時に効果的な色です。





きたきたきた!

また遡って来ましたよシーバス!

NJN90sfはゆっくり浮く仕様のフローティングミノーなので、釣れたタナは恐らく1mぐらい。

水深は更に1m以上あったから、もしかしたら、ランカーサイズが喰ってくる一つの条件に、「水深2mぐらい」が挙げられるのかもしれません。

秋の餌釣りでも、あまりクソ深いタナは狙っていないようなんですよね。

大きな手掛かりが得られた感じがするので、これから緑川南岸の未開拓ポイントも探って行きますよー。
 
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もう釣れない筈なのにの12月
 例年なら釣れない筈の白川シーバス、12月に入ってもズルズル釣れ続く

「しーばすつりにいかないの?」

…刺身食いたいのは分かるけど、もうね、この時12月初旬。
例年ならとっくに白川緑川共に、もぬけの殻。

シーバスは残っている筈も無いんです。

しかし、2015年は暖冬?の為か、この時期になっても、時折暖かい雨が降ります。

もしかして?シーバス?一匹ぐらい残っているかも?



前に書いたとおり、今年は春から夏にかけてシーバス絶不調が続き、秋になってからオデコゼロの快進撃が続いています。

そんな年だから…もしかして…まだ川に残ってる?か?も?


そんな訳で行って来ました白川小島の堰。もう12月半ばともなると、例年全く釣れてないので、予想通り12月15日の釣り場には私一人だけ。

いつもは必ず誰かが竿を振っているAAA級ポイントに入る事が出来ました。

熊本に引っ越してきてから10年近く経ちますが、この場所に入れたのは僅か三回w

ハイシーズンには常に三人は並んでる場所です。







で、シーバスが必ず付いているとされる、テトラポットの際、ここにしつこく、しつこく、しつこく、しつこく、しつこく投げてみます。

…が、当然のように無反応。

ま、時期が時期だからね、きっと居ないんでしょ?シーバス。




しかし…ですよ、轟々と流れる主流から、離れた場所、干潮時には干上がってしまうようなカケアガリに目を移すと、そこに満ち潮が作り出す潮目がくっきり出てるんですよ。

これは?もしかして?今日はこっち?

考えてみれば、川に居なくなるのなら海へと落ちてゆくわけで、淡水の勢いが強い主流付近で当らないなら、当然海水の方にも探りを入れてみるべきでしょう。

皆が投げるあのテトラ際を、ガン無視して潮目に狙いを変えます。
潮目を横切るように投げ、竿先に伝わるルアーのウォブリングを頼りに潮の流れの変化を探って行きます。

すると…岸近くに比較的明確な流れの強弱が出来ている事が判明。
そこにルアーを流し込むイメージで入れてみると…?

「コココッ!」

幽かなアタリに慌てて竿を立てるも空振り。

魚の活性は低いながらも、何か魚(ナマズかもしれんけど)は居る様子。

まあ、ナマズでも釣れたら食ってやるんですけどね。

そんな事を思いつつ、巻きスピードを遅くしながら打ち返すこと数投。

「ここここここここここここっここおこっこおおっこkko…」

かなり我慢してアタリを見送り、竿先に重みが乗った時点でスイープに巻き合わせ。





あれぇ?やっぱり、来ましたよ?

見た感じ、秋に入って、産卵に参加しないから川に残ってるだけっていう感じのセイゴでした。

例年なら低くなる水温を嫌って川から出て行ってしまうんですが、今年は、なんかまだ残っています。

「まあ、マグレだろう」と思い、この日は早上がり。

大物が出る気配が有ったら続けたかもしれないけど、なんか釣れる気がしないんですよね…
















して、12月23日、やっぱり暖かい雨が降ったので、同じ場所で投げてみました。

やっぱり同サイズが釣れます。この日は結構ショートバイトが多かったので、もう一匹獲ってやろうと少しだけ粘ってみました。










やっぱり釣れます。なんででしょうね?やっぱりあったかいからでしょうかね?

ルアーは最近完成した自作スローフローティングミノー、NJN90sf。

他の人がまったく持っていないルアーを使っているのも勝因の一つかもしれません。

でも、本当の所、まだ知られていないシーバスの行動パターンが有るような気がしてなりません。常識や定石を豪快に外した変な釣り方でも、しばしばシーバスは釣れてきます。

ってか、定石通り釣ろうと思ったら常にポイントの取り合いになるので、尿にも行けないじゃないですか。


うーん、これからも非常識な釣り方、知られてない場所、時合いでない潮時に狙ってみようと思います。

変なパターンで釣れたら、また報告しようと思います。

謎多きこの魚の片鱗しか知らないのだから、持っている情報より海と川からもらう情報の方がまだまだ多いはずです。



























その足で、クマモトシティ最奥部にあるアジトに行く。














思いも掛けず、シーバスが突然、手に入ったので、祭り開催。

行きつけの飲み屋「花樹」でウタゲを催したので御座候。

ニンジャヘッズに召集を掛ける。









ニンジャ忘年会

はっじまーるよーw











うまし!
 
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読書の秋とシーバス・そして忍殺へ

2015年10月、緑川と白川のシーバス


秋と言えば、読書です。
かく言う私、最近は殆ど本を読んでいませんでした。
まあ、読むと言っても、ほぼ釣りの本以外読まないのですが。

でも、その釣りの本、個人的には読めば読むほど迷宮にハマって釣れなくなるものと思い込んでいたから、いよいよもって、ますます読まなくなっていました。

私が子供の頃、真剣に読んでいたバスプロの指南本には、往々にしてテキトーな事が描かれていて、しかもそのテキトーな記述すら他のバスプロにパクられてテキトー本の記述が先祖代々子子孫孫継承されている有様。

ま、釣りの技術なんてものは、現場で上手い人が釣るのを見て、その技術を盗み取るのが王道だと思っていたから、読まなくともそこそこには釣れていました。

それに、真剣に書かれた指南本も、天才肌の釣り名人が書く物の事だから、常人には理解し難い内容だったりします。



天才って言うのは、どちらかと言うと…というか、ハッキリ言って文才は無いです。聞けば聞くほど「?」が溜まって行き、頭の中に「?」の群れが渦巻くだけの結果になる事がお約束となっておりました。





と・・・・思っていた時期が私にも有りまして。つい先日までの事です。

上の画像に出ている本、釣具店のポイントが溜まったので、テキトーにそれを消化する思いでテキトーに購入しました。

( ´_`)プッ…十倍ww三倍界王拳か何かのつもりですか?

とか、思っていました。読むまでは。

しかし・・・


;y=( д). ターン



⊂⌒~Д。) ヤラレタ…     



・゜゚・*:....:*・゜(n)η゚・ キタワァ*



いえね、釣り名人の文章なんて、読めたもんじゃないと思ってたんですよ、でも、最近の若い人達は?
ブ?ロ?グ?とか、書くんですか?やっぱり?昔の本より確実に読みやすくなっているんですよ。

特に、

「釣れない時に無理に投げ続けると逆効果」

とか

「シーバスがどうやって餌を捕っているか充分考えてから投げる」

とか

「タイドグラフは目安にしかならず、現場の地形や風向でかなり変わる」

等、シーバスを狙って釣る為の基礎知識が分かりやすく書かれていました。
この「分かりやすい」というといころの匙加減が絶妙。

釣りにあまり詳しくない人は、「どのポイントでいつ投げれば釣れるんですか?」というストレートすぎる質問をしてしまい、昔の指南本はそれにドストレートで答えようとするあまり、その場限定で釣れそうな要素を全て書き込み、とどのつまりは、質問者が途方に暮れるほどの情報量を提供した割には完全に意味不明になるというドツボ的悪循環にハマっておりました。

だからでしょうか?画像の本は基本原則を中心に書いています。
「基本原則を頭に入れて、その上で現場の状況と照らし合わせて、答えに到達して下さい」
というスタンスで書かれていました。

10月半ばの釣行は、そんな知識が味方して、オデコゼロの快進撃を続ける事が出来ました。
10倍…は、私の実力不足で実現していませんが、少なくとも読む前の3倍は釣れています。
見切りと移動、ちょっとした工夫で確かに、シーバスは「マグレでしか釣れない魚」では無くなってきました。

例えば、緑川でハゼを釣って帰るだけの予定だった日の事。
ウェーディングしながら河口の干潟に糸を垂れていると、ハゼはいつもの流れ込みから、少しだけ外れた部分でよく釣れました。
いつもの流心部は、立ち込んだ感じで分かる程周囲よりも水温が低く、さりとて、その流れからそう離れていない所でよく釣れまして。

ああ、アレか、丁度潮目みたいになっているのか。餌のプランクトンが流れてくるのを、潮目の外で待ち構えている感じか。

きっとシーバスも同じパターンで食ってくると読めました。

緑川でやってもよかったんだけど、ハゼの食いも落ちるほどの潮どまりになってしまったので、ここは華麗に見切って白川の通称小島の堰へ。
ここは、いつでも流れてるので、上げ止まりでも何とか釣りになります。
以前なら、潮止まりの緑川で無理に投げ続けていたでしょうが、潮目パターンの応用が効く釣り場へ大胆に移動です。


上げ止まり付近です。
堰から水が轟々と落ちる一級ポイントには既に三人ぐらいがルアーを投げています。
そこは、多分チャンスが無いでしょうね。今から私が入っても。

先ほどの読みから、水温の低い川の水と温かな海の水が作り出す潮目を丹念に探っていきます。
時折反転流になっている場所が有るので、ルアーを通す手応えでそういった流れの変化を探してゆきます。

あてずっぽうにやっていた以前なら、皆と同じ流心に投げようとして、結局ボウズ食らっていたでしょう。





したら、来ました!

反転流と駆け上がりが重なる浅場でのヒットです。

ヒットルアーは自作の FTM90f 落ち鮎カラー。

ルアーを完全に口の中へ入れています。

読み通り、活性の高いシーバスを仕留めました。





数日後、新型試作が出来たので、それをテストに行きます。
FTM90f は、ラパラを大型化したような浮力の高いミノーですが、この試作はもう少し重くして、ゆっくりと浮かぶ仕様になっています。スローシンキングの逆、スローフローティングです。

かなり工程を簡略化し、コストダウンにも成功しています。風呂場テストの泳ぎも上々。

さて、今日も白川のシーバス、釣っちゃうもんねー(笑)













しかし・・・

着いて三投目に・・・




























(ノ`Д´)ノ 彡┻━━┻   投げ切れしたじゃねーか!

黒金とクチボソカラーを作ったのですが、黒金を失ってしまいました。

残るはクチボソカラーの一本。果たして…釣れるか…

季節は十月末。数日前から急な冷え込みが有った上に、当日は満月の晴天。
ハッキリ言って、私がかなり苦手とする状況です。

テンションだだ下がりになって帰ろうとした時・・・

その声は聞こえてきたんです。脳内から・・・



(@益@ .:;)
愚かなりフジキドよ・・・

(;´Д`)
え?ななな!なんすか?フジキドって?


(@益@ .:;)
ワシは、ツリキチクランのミミゲ忍者。嘗ては麦わら帽子小僧をオプション装備し、日本全国釣り行脚祈願に明け暮れておった。
しかし、迫りくる税務署の追及に足を滑らせ、テトラポットから落ちて死んだ。


(;´Д`)
なにそのバッドエンディング魚神さんはwww

(@益@ .:;)
語尾に草を生やすな!ワシは、忍者ソウルとなった今、肉体を失い、フタバ淫夢スレに憑依しておる。
じゃが、そろそろ現世に戻って釣りがしたくなった。貴様の肉体をワシに預けろフジキド


(;´Д`)
うっせえホモ忍者、こちとら、シーバス釣りで忙しいんだから、お前はコケシでも突っ込んでコイてろハゲw


(@益@ .:;)
問答無用!断ってもムリクリねぢ込んで憑依する!




(;´Д`)あっー!!!!!













ええ、わかっているんです。これのせいだったんだって。

「感染性強いけどいい?」って○んだらけの店員に聞かれたときに、素直にやめときゃよかったんです。中野なんか行かずに、まんが倉庫にしておけばよかったんです。

一応、参考までに、この本は、アメリカ人に有り勝ちな、偽忍者知識を再現して詰め込んだ怪作です。
作中に出てくる独特の言葉は「忍殺語」とか「コトダマ」とか呼ばれていて、影響されやすい人はすぐに感染します。

ってか、以後、この文は全て忍殺語に変換されます。ここから先は読まない方が良いですwww
(忍殺語に感染するから)







前回までのあらすじ

ニンジャソウルに憑依されたフジキド(仮)は、末法の世にシーバスを追い求める余り、シーバスを殺して主食にする忍者、 シーバスレイヤー になっていたのだ!

重金属の渦巻く大気に今日も髑髏じみた満月が浮かぶ。

末法のネオ熊本市に今日も夜の帳が下り、闇の住人、ニンジャが蠢きだすのだ。





シーバスレイヤーは、ニンジャ体力を回復する為にスシ・バーに駆け込んだ。

店内はソウゼン!一瞬にしてニンジャに掌握され、混乱の巷と化してゆく。

その姿は、あからさまにニンジャであったのだ!

「アイェェェェェ!ニンジャ!ナンデ!?」

(;´Д`)スシだ!大量のスシを出せ!

「アエエエ!ヨロコンデー!」




ゴウランガ!
シーバスレイヤーはイタマエの流したたスシを次々と無機質なベルトコンベアーから受け取り、口に放り込んでゆく。

(;´Д`)モッチャム!ウマイ!

体力が回復したシーバスレイヤーは、そのまま緑川へと走った!
潮が止まるその前に!急げ!シーバスレイヤー!






オブシディアンめいた漆黒の闇に浮かぶ、加勢川の末端、ロッケンウォーターゲート
(編集者注、六間堰の事か?)

魔都ネオクマモトシティ中心部を流れる加勢川と緑川が合流するその場所は、シーバスヘッズ達が集う著名なシーバスキルゾーン遊戯水域となっていた。

今日もシーバスの気配に引き寄せられ、多くのヤンク達が思い思いのルアーを暗い水面に打ち込み続けていた。

その有様は、さながら末法の世を象徴する三途リバーのサイガワラじみていた。今日も地元アングラー達は水面に淡いヘッドランプの光を投射し、黙々とルアーを投げ続ける。




( ^ω^)今日も堰のメインストリームにルアーを投げます。ナガムサン、そちらは釣れていますか?

(・∀・)サトウサン、いつも通り釣れていないです。

( ^ω^)有名ブログに出ていた通りの場所なのに変ですね。

(・∀・)でも、兎に角アフィリエイトで稼ぎまくっているカチグミブロガーの言う事に間違いは有りません。

( ^ω^)えっ…ええ、そうですね、一瞬疑った私がバカでした。偏差値高めのブロガーに間違いは有得ませんよね?

(・∀・)ここで投げ続けましょう。

( ^ω^)そうしましょう、ナガムサン。ライトの電池は大丈夫ですか?

(・∀・)もう、4時間点けっぱなしですが、後六時間は大丈夫です。

( ^ω^)それは心強いですね。

(・∀・)そうですね。

その時、彼らはまだ気付いていなかった。
鱸殺衝動に駆られた恐るべき変態、地獄からよみがえったニンジャソウルに操られる邪悪な影が背後に忍び寄ってきていたのだ。

その影は、彼らの背後8mの距離から不意に声を掛けてきた。シーバスロッドとショックリーダーの長さを計算した完璧なビトゥイーンマアイ!ルアーが水面から引き上げられ、キャスティング動作に入る前を見計らったそのタイミングも絶妙で実際タツジン!

( ^ω^)アエエエエ!ニンジャ!ナンデ!?

(・∀・)アエエエエ!ニンジャ!ナンデ!?

(;´Д`)「ドーモ、シーバスレイヤーです」

なんと、声を掛けてきたのはあからさまにニンジャであったのだ!
ニンジャのアイサツに、二人のアングラーは、震える声で答えた。

( ^ω^)「ど…ドーモ、シーバスレイヤー=サン、サトウです…」
(・∀・)「ど…ドーモ、シーバスレイヤー=サン、ナガムです…」

古事記にも書かれているとおり、アイサツをされたら、アイサツを返さなければならない。それが平安の世から続くイクサの作法!

しかし、目前に現れたニンジャの異様さに気押されて、二人は二の句を継ぐ事が出来ないでいた。

赤黒いニンジャ装束に、鎖帷子のフローティングベスト(浮くのかコレ?)、そして、顔には「鱸・殺」とレリーフされた鋼鉄のメンポ!


コワイ!これぞコーボーマスターモンクの予言した末法の地獄絵図!!

しかし、ニンジャはアイサツを済ますと、そのまま走り去って行った。

イクサの前にはアイサツを交わすのが作法。
シーバスレイヤーは、彼らと釣果を競うイクサをしようと考えたらしい。

ニンジャの足音と赤黒い残像は真直ぐに堰の上を渡り、そして対岸の草むらの中へ消えて行った。その先に広がるのは漆黒の闇。

当然釣り人など誰も来ない。ナンデ!?二人のアングラーは、数分後、ニンジャが足を滑らせて転んだ音を聞いた気がしたが、何事も無かったかのようにシカトして釣りを続行した。


シーバスレイヤーは、堤の斜面に落ちていたバイオキャットの糞に足を掛け、スッテンコロリダウンをしてしまった。ウカツ…。

コウボウエラーズ、腹水が溜まると盆に帰省できない、シーバスレイヤーは、己の失態を憎んだ。

周囲を緑色の光がヒノタマめいて揺らめく。バイオキャットの目が月光を反射しているのだ。

この糞は彼らの巧妙なアンブッシュ!シーバスレイヤーは彼らの罠に落ち、正に今、魚臭くなったフローティングベストを舐め回されようとしているのだ。


ナムアミダブツ!!





ああ、何たることか、フートンが欲しい。セプク出来るならしたい。
シーバスレイヤーは、敗北の屈辱と甘美な猫の声に意識を混濁させていた。


(@益@ .:;)
愚かなりフジキド、ワシに完全に体を預けないからだ。


(;´Д`)
うっせえ、これ以上刺すと痔になるんだよ!

(@益@ .:;)
お前に選択の余地はない、ここでワシに任せるか、猫達に舐め回されるか…答えはおのずと一つに絞られるであろう。

(;´Д`)
猫に舐め回されるって、どんなご褒美だよw
猫と遊ぶのに忙しいから、帰れクサレソウルwww

(@益@ .:;)
語尾に草を生やすなと言ったろう!
ええい、答えはどうあれ、ムリクリねぢ込む!!!


(;´Д`)あっ…やめっ・・・








(;´Д`)んアッー!!!!!

命の危機に直面し、釣りを諦めかけていたシーバスレイヤーの瞳に光が宿る。

片方の目は、黒眼がセンコじみて小さくなり、口からは硫黄の臭気を漂わせる瘴気を吐き出した。
飛び起きざまにそのまま堤の斜面を一飛びし、コンクリ護岸に降り立つ。

コワイ!これがニンジャソウルに憑依され、肉体を奪われた者の末路!

(;´Д`)
ここから先はニンジャの世界だ、ニンジャのイクサ、とくと見ておれ!

先ほどアングラー達が居た魚道吐き出し口とメインストリームの対岸。
そこは、全く流れていないかに見えたが、ルアーを通してみると、潮流の作り出す反転流を強く知覚出来た。

その流れをダウンクロスキャストで探って行く。小移動しながら50投程したであろうか?遂にその時は来た!





ゴウランガ!

見事、60upのシーバスを確保した。

これで食料は確保された。










新型ルアーを咥えて上がってきたシーバス。

この試作も、有望なので、作り込んでゆく事に決定。








シーバスレイヤーは、更なる大物を求めて、中州のサンドバーへと降りる。

そこは、ハゼが釣れた場所。

遠浅のポイントに適合させるため、ルアーをより潜行深度の少ないFTM90f(サンドホワイティングカラー)に換える。
結び換える時も、無論ライトは使わない。月光がそのまま光源となる。実際その程度の光が有れば、ニンジャには充分なのだ。タツジン!!

六間堰から流れ落ちる水が作り出す細波が月明かりに光る。

狙うはその脇、小さな渦だ。

渦の中にベイトフィッシュが拡げる小さな波紋が浮かんだ。

居る…

確実に…

その渦に、奥ゆかしくルアーを通すこと数回…
















月光の下に水柱が上がる!

「グワーッ!アババババ!」

シーバスの断末魔を聞き、シーバスレイヤーは勝利を確信。

そしてニンジャシャウトを上げた!「イヤーッ!」

かなり重い引きにリールが巻けない。

シーバスレイヤーは、 ポンピング・巻き取りジツ を使ってシーバスを奥ゆかしく、着実に引き寄せた。

敵は強いが、慎重にやれば負ける事はないだろう。

「ランカーシーバス=サン、俳句を読め!!」




「あばーっ!サ ヨ ナ ラ!」 (爆発四散)










いやいやwさすがに爆発四散はしませんでしたがw

狙い通り、82cmのランカーシーバスが釣れてくれました。

人生初80upなので、喜びもひとしお。

今迄、人の釣っていた場所で適当に釣るか、橋等の誰が見ても好ポイントであるような、そんな場所で投げていましたが、やっぱり自分で見つけたポイントで釣れると嬉しいですよね。

ここ、緑川は、ハッキリ言って開拓された場所はほとんどなく、有名な割に多くの場所が手つかずと言っていい開拓し甲斐のある川。

六間堰のサンドバー以外にも、どんどん開拓してゆこうと思います。

私は、こういった釣り場情報は、秘密にするより出していった方がいいと常々思っています。


だって、そうすれば人が一カ所に集中する事も無くなるじゃないですか。

この日も、緑川の国道橋下は、揺れるヘッドランプの明かりで銀座みたいな有様になっていましたが、果たして何人が釣れたのやら。




自作ルアーとランカーシーバスの口。

90mmのミノーが小さく見えます。

もっと大きいのも作ってみようかな?















(;´Д`)それでは皆さん、オタッシャデー!
 
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オデコの河を越えて

2015年8~9月、熊本県白川のシーバス

でかい!80upだ!!
…ええ、バラシましたとも。

ここのところ、このページも更新してませんでしたが、シーバス狙いで釣行はしていたんです。全てバラシとオデコですがw

どうも今シーズンは引きが弱いというか、運が無いというか、状況が芳しくないというか、どう言おうが結局春から半年オデコ続きでした。








 これも・・・













 これも・・・













 このデカブツも・・・

全て去年の釣果でした。

今年は呪いが掛ったかのようなオデコ続き。

だいたい、シーバスって奴はそもそもギャンブル性の高い釣りで、魚が回遊してくれば比較的簡単に釣れ、回遊してこなければどんな達人天才もオデコで帰る事になります。



( ^ω^)そう、これは運が悪いだけで私が下手なせいではないのですぉ。

まあ、いつどこへ行けば釣れるか見極めるのも腕の内なので、見切れてない当り、まだまだ下手なのでしょう。
現場で聞き込みをしてみると、「さっきそこで釣れたよ」とか、「潮が変わる前は沢山アタリあったよ」等々の証言が得られるので、まだまだ釣り場を見る目が無いのだと思います。
で、春から秋までほぼ半年、オデコとルアーロストを無為に繰り返しておりました。

だいたい、根掛りって奴は釣れない時に多いです。

 あの杭の近くを流せば釣れる
  ↓
 杭の横を通せば釣れる
  ↓
 乱杭の中を通せば釣れる筈
  ↓
 釣れなきゃおかしいだろ
  ↓
 釣れてくれなきゃ泣く
  ↓
 根掛りして泣く

釣れない時ほど無駄に障害物をタイトに攻め、頑張れば頑張る程にドツボにハマる悪循環。
そう、そんな時は、釣らなきゃいいんです。



もう、釣れないシーバスなんか、相手にしてあげません!!加勢川と緑川が合流する場所にある六間堰に来ましたが…

今回のターゲットはシーバスじゃありません。

秋の河口と言えばそう、アレです。








そう、魅惑の飴色のコイツ、マハゼです。

渓流竿にハゼ天秤付けただけの簡単仕掛けでどんどん釣りあげます。

天麩羅にもしますが、釣り溜めたハゼを冷凍キープしておき、後日甘露煮にする為に今回は大量に確保します。








( ^ω^)ウホホ、ウホホ、大漁ですぉ。

すかさず任務完了。
もうね、オデコ続きのシーバスなんか、やめやめ、釣りは釣れるのが一番ですぉw

しかし…時折周囲の水面を「モヤッ」と持ちあげる怪しいモジリが気になります。

もしや?居るの?シーバス?

その日はルアータックルを持っていなかったのでそのまま帰宅。




ヽ(*`Д´)ノうわあああ!やっぱり気になる!

後日、ルアータックルを手に、オデコ続きだった白川へ。
いつもの小島の堰に向かい…

道の途中が材木置き場になっています。
いや、こないだの大水で流されてきた大量の流木が行く手を遮っています。






(@@ .:;)ま・た・こ・れ・で・す・か。


嫌な予感がしまくりやがります。
今シーズンは苦労した日ほど努力は報われず、苦労だけで終わる踏んだり蹴ったり無展開だったので、今回もそうだと確信にも似た諦めが漂い始めやがるのです。


したら?

え?

ちょw

三投目ww

自作フローティングミノーFTM90fを、堰の白泡に流し、トラウトでやるようなUターン釣法かましたら食って来ましたよw






御覧のとおり、網もシーバス専用の物を新調しました。

今回ヒットしたカラーはサンドホワイティング。白鱚をイメージした新色です。

もうね、いろいろ走馬灯が回るんですよ。ロストしていったルアー達の数々、苦難の遠征、泥にハマって死を覚悟した夜、幻想的な海ホタルの光がきれいすぎて、道糸丸見えの事態にいろんな意味で泣けてきた天草の夜、エロ本の自販機からお釣りが出ず、消えて行った一万円札…





( ゜д ゜) 最後のちょっと違った!



まあ、やや錯乱気味ですが、それほど嬉しかったです。ボウズ明け。



後日行った時も同形が釣れてくれました。

私のシーバスフィッシングは、殆どの場合一本釣れた時点でおしまいです。
リリースは基本しません。

この、シーバスって奴、網で取り込むと高確率で口がズタズタになる程暴れるので、リリースしても生き延びる気がしないからです。

フィッシュグリップで獲れる場所ならリリースしながら何本か釣るかもしれませんけどね。まあ、私の場合、釣れたら釣れたで、帰ってからまた一仕事有るわけで。















(≧◇≦)やっぱ、最後はこれですよ!


鱸の洗いで乾杯!!




 
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 シーバスの話


あれ?この色、なんか、白蓮さんに似てない?
(背景に見えているのははグリフォンのホームページ)
シーバス用試作ルアーFTM80sブラックカープカラー。

突然で申し訳ないんですが、ブッチャケ、シーでもバスでもないんです。
実態は白川の鱸(すずき)釣り。
シーバスというのはこれをルアーで釣る場合の通称で、ルアー釣りをする人以外はシーバスとは言いません。
釣る場所も白川の小島堰の辺りだから、「シー」と言えるかどうかも微妙です。
そして、このシーバス釣り、ブッチャケ釣り自体はあまり面白くありません。
延々と打ち返しを続けなきゃいけないブッコミ釣りのイメージ。
数時間も魚が回遊してくるまでこれを続けなきゃいけないんで、ハッキリ言って苦行とすら言えます。
最初に岸際の、シーバスが付いていそうな障害物にピンポイント打ちして、居着きの魚が掛ってこなかったら苦行開始です。
そんなに嫌ならやんなきゃいいだろハゲ!・・・と、思われるでしょう。私もたいがいそう思います。でもですよ、最近言われるんですよ。「ねえ?海用のルアーないの?」多分百万回は聞かれたと思い…言い過ぎか、千…いやいや、そんなには無かったかも?百…すいません、盛りすぎました。多分5回ぐらいですw

そんな訳で取りあえずシーバス用のルアーを試作することになりました。
東京湾でかなりの実績を上げた自作ミノーをベースにしようと思いましたが、アレは飛ばなくていけません。東京湾はたいがいの釣り場が防波堤で、しかも足元からドン深になっている場所が多く、飛距離は絶対条件ではなかったのです。一番の好ポイントは正に足元。熊本はその真逆。
そう、遠浅なんです。魚が回遊しそうな流心や船が通るたびに砂が巻き上げられて出来る船道と言われる好ポイントまでは近い場合で15m。普通は30から50mも沖になります。そこまで届かなきゃ釣り自体が始まりません。

まず飛距離優先とするならばルアーのシルエットは空気抵抗の少ない砲弾型に限定されるでしょう。重心移動も考えられますが、それは標準型が完成してから考えないと無理がありそうです。
そして、気になるルアーの動き。飛距離を出すために当然沢山の重りを内蔵させますが、こうすると動きが弱く、釣れる釣れないは別にして釣り人の集中力が続きません。このシーバス釣りをやってみると分かるんですが、打ち返しをしている間はものすごく退屈なんです。
この時に、ルアーが身をくねらせて泳ぐときに発生する振動が竿先に伝わり、それと対話しながら苦行に耐え続ける釣りがこのシーバス釣りだと思っている私には、ハッキリとしたルアーの泳ぐ感触は外せない要素です。
べつに、振動なんてしなくても釣れるらしいんですよ。ルアーがシーバスの目の前を「スッ」と通過しさえすれば、普通は反射的に食いついてくるようなんです。でもですよ、いつ回遊してくるともしれないシーバスを待つ退屈感に堪えるには、この振動との対話が無いと気が狂って死にそうになります。

「あ!今、ブルブルがちょっと強くなった!潮目に入ったな」

とか

「あ!ブルブル感触が弱くなったぞ、潮の流れが逆になったかな?」

みたいな変化が、どうしても欲しいんです。ま、そんな事言うのは初心者の証拠なのかもしれませんが、私は「熊本シーバス」の初心者だからこれでいいんです。
ベテランはシンキングペンシルと呼ばれる、ジグミノーみたいな殆ど振動を発しないルアーを好んで使います。シーバスの回遊タイミングを読めるベテランは、回遊見込みの高い時合いを見計らって釣り場に来て、一時間ぐらい投げてチャッチャと2~3本揚げて帰るので、振動は要らないのかもしれません。

次は、色です。
またまたブッチャケると、このシーバス釣り、夜釣りが主流なので、あらゆるルアーフィッシングの中でも屈指の「色なんかどうでもいい」釣りなんです。
ブッチャケ、白、銀色、なんか背中が黒っぽいの、濁り水の時に使う金いろっぽいの、これだけあれば足ります。
冒頭に上げた画像のようなグラデーションは要りません。単なる金色でいいでしょう。でも、「なんか釣れそうな気」を、無理にでも高めなければ、長時間アタリすら無い苦行に耐えきれずそのまま入水自殺してしまいそうなので、色もモチベーション維持のために(私的には)外せない要素です。

で、自殺予防の見地から考えた色がこれ。定番のレッドヘッドカラーですが、多少ナチュラルカラーの要素を取り入れて「いかにも釣れそう」な感じを演出。いや、「釣れそうな感じ」というよりは、「これで釣れたら楽しいだろうな」というイメージで彩色しました。これは、気に入ったので「ボーンレッドヘッドカラー」として標準化しよう。

そのような諸々の、主に釣るための要素は飛距離以外概ね後ろに置いといて出来たのがこの新型ルアー「FTM80s」になります。
砲弾型のシルエット、しかも、風で弾道が乱れにくいように、断面も真円に近い楕円形。動きはヘドン・タイガーやボーマー・ロングAみたいな大きめのアクション。色はちょっとレトロルアーに近い、玩具チックな彩色。

・・・どこからどう見ても新しい所が何もない、普通のミノープラグですw

FTMも、「普通のミノープラグ」をテキトーに略した名称。80sは80mmのシンキングという、これも気合のカケラすら感じられない安直なネーミングw

( ゜д ゜)これで自殺予防は完璧だ!!!

…いやいや、釣りますから、釣りますからw

冒頭からやる気ゼロ状態の2013年11月3日。熊本県熊本市中心部を流れる白川は小島堰のテトラポットに立ち、苦行スタート。



いかにも釣れそうに見えるでしょ?
でも、釣れないんですwそう、シーバス様がお越し下さるまで苦行を続けなければならないのです。
この日は連休の中日、大潮、当然釣り場には既に数人の釣り人がおり、この、周囲の釣り人たちとの鍔迫り合いも相当にウザイです。渓流釣りなら、人が来たら車で移動すりゃいいんですが、シーバスはそうもいきません。
釣れる場所死守が原則。数時間待ったポイントの横に誰か入ってきた場合、別にポイントを横取りされたわけでもないのに「俺の投げる場所領有権主張意識」が頭をもたげ、だんだんお互いの投げるラインがクロスしてきたりしまして。しまいにはオマツリに。
そんな時は渋い顔をして「ちっ!」とか言いながらモツレた糸をほどき、隣人のルアーをぞんざいに水面に放ってやる動作も、なんか、自分が卑しくなったみたいで壮絶に嫌です。かなり入水したくなります。
この日はB~C級ポイントとされる小島堰北岸から釣り始めて、幸い南岸ほどの混雑は無く、快適な釣りになったのでこの日の入水は避けられました。
辺りが闇に包まれる午後八時、現在上げ潮五分。このポイントの潮時(チャンス的な意味で)は潮が引き切った頃とされています。なので、周囲にいた釣り人は一人二人と移動していき、ついに現場には私だけに。
潮時を過ぎたんだから移動すべきなんですが、移動した先でもどうせ釣れないんだろうからと、この場所で怠惰に苦行続行。

(´ω`)はあ…俺、こんな所で何やってんだろ?
早く入すi…いやいや、帰って来シーズンの渓流ルアー作らなくちゃいけないのに…

(´ω`)だいたいさあ、対岸のAAA級ポイントに入った人が一本釣った以外誰か釣れてた?
あそこ以外釣れないんなら、これ、単なる無駄な手の運動だよね?

(´ω`)それに、コッチ引っ越してきて9年になるけど、まだ白川のシーバス2匹しか釣って無いんだよね。

(´ω`)確率悪すぎない?東京湾なら3回に一回ぐらいしかオデコないよ?

「コツコツッ!」

(´ω`)コツコツッ!ってなんだよ?まるでアタリみたいにさあ?





(´ω`)えっ?…














*゚Д゚)アタリじゃねえか!


















白川のシーバス!とったどー!



決して大きくは無いけど、これは貴重な一本となりました。
今後、FTM80sは完成度を高め、製品化する事に。


(*´д`*)白川のシーバス、最高ですねw

釣れりゃいいんだよ、釣れりゃw
入水の危機は免れたw
 
 


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